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便潜血検査についてのよくある誤解

さて、ここで便潜血検査にまつわる誤解をまとめておきます。 ピロリ菌と同様に便潜血検査についても、患者と医師の両方に多くの深刻な誤解が蔓延しています。 そしてその誤解は、胃がん検診における誤解よりも深刻な事態を生じる可能性が高いのです。 1.「…

ラジオ日本『Hello!I, Radio』に出演しました!!!

4月10日月曜日に、ラジオ日本の情報番組『Hello!I, Radio』に出演させていただきました! パーソナリティは栗原美季さん。少し話しただけでも引き出しの多さが分かる素敵な女性でした。(^^) しかし10分間の生放送。あっという間でしたが、いやあ緊張し…

便潜血検査でも受け続ければ、正確性が増していく

1.前回のおさらい 大腸がんの予防のためには、内視鏡で治療できる早期の段階、つまり、まだ大腸がんになっていないポリープの段階で病気を見つけるのがベストです。 ではポリープがあったら便潜血検査は陽性になるのでしょうか? これも報告によってばらつ…

ポリープは便潜血検査で見つかるのか?

1.前回のおさらい 便潜血検査は、便の一部を容器に入れて提出し、便の中に血液が混じっていないかどうかをチェックするという検査です。何も問題がない正常な大腸粘膜から出血することはあまりないことですが、大腸がんやポリープなどの病変があれば、便が…

便潜血検査の実力は?

1.便潜血検査って? 今回は、大腸がん検診(二次予防)について説明します。大腸がんやポリープを発見するためにはどんな検査があるでしょうか? 現在、健診や人間ドックで大腸がん検診としてまず行われるのは便潜血検査です。 これは、便の一部を容器に入…

当ブログを書籍化した『がんで助かる人、助からない人』、発売中です!

2月の25日に、当ブログの内容を書籍化した『がんで助かる人、助からない人』が発売されました! これもひとえに当ブログにお付き合いいただいたみなさまのおかげです。心より感謝いたします。 また、気になってこまめにチェックしていたところ、一瞬アマゾン…

どこからが肥満なのか?

1.大腸がんのリスクを高めるもの 少し前回のおさらいです。 大腸がんのリスクを高める生活習慣にはなにがあるでしょうか? 国際がん研究機構IARCや国立がんセンターの発表によると、 「アルコール」 「タバコ」 「肥満(BMI25以上)」 が挙げられてい…

なぜ大腸がんはできるのか?

1.がんとポリープの違いは? 大腸がんの発生には、大きく分けて2つの経路があるといわれています。 1つは正常の粘膜から直接大腸がんが発生するというものです(パターンA)。 これがみなさんのイメージに近いものだと思います。 もう1つは、まず「腺腫…

胃がんと大腸がんで年間10万人の命が救える

1.増え続ける大腸がん 大腸は全長が1.5~2メートルの管状の臓器です。 それが正面から見ると「?(クエスチョンマーク)」の点の部分を抜いたような形に折れ曲がってお腹の中に収納されています。 大腸は、大部分を占める「結腸」と、肛門から入ってす…

『がんで助かる人、助からない人』出版のご案内(著者・近藤慎太郎)

いつも当ブログを読んでいただいているみなさま、本当にありがとうございます。 実はきたる2月25日に、ブログの内容をまとめた私の初めての著書『がんで助かる人、助からない人』が発売されることになりました! もともと出版は私の目標の一つであり、ここ数…

『モモ』 ミヒャエル・エンデ (書評・近藤慎太郎)

ミヒャエル・エンデはドイツの児童文学、ファンタジー作家です。 日本でも 以前から人気は高く、その作品にふれたことがある方も多いと思います。 エンデのデビュー作『ジム・ボタンの機関車大旅行』は、1970年代に日本で放映されていたTVアニメ『ジムボタン…

『流』 東山 彰良 (書評・近藤慎太郎)

2015年に本作品は第135回直木賞を満場一致で受賞した。 流 作者: 東山彰良 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2015/05/13 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (113件) を見る 著者は、1968年に台湾で生まれたのち、小学校以降は主に日本で育っている。 20…

『カラマーゾフの兄弟』 ドストエフスキー その3 (書評・近藤慎太郎)

『カラマーゾフの兄弟』とは一体、どんな物語なのでしょうか? カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫) 作者: ドストエフスキー 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2012/02/10 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (1件) を見る 本作品は、『罪と罰…

『カラマーゾフの兄弟』 ドストエフスキー その2 (書評・近藤慎太郎)

古典は優れた効用がある知的財産であって、捨て去るのはもったいない。 しかし、 難解。 訳が古臭い。 段落の区切りが少ない上に、字が小さくて読みづらい。 といった問題があります。 どうすればいいのでしょうか? そのような状況の中で、2006年から光文社…

近藤慎太郎 講演:40歳の胃がん、35歳の大腸がん

きたる1月26日19時より、東京ミッドタウンにて講演を行います。本ブログにもある、がんにまつわる様々な誤解をを解き明かしながら“治る”がんである胃がん、大腸がんについて分かりやすく解説します。定員80名ですので、興味のある方はご予約のうえお越しくだ…

『カラマーゾフの兄弟』 ドストエフスキー その1 (書評・近藤慎太郎)

古典文学と聞くとみなさんはどんな印象を持っていますか? 難解。 訳が古臭い。 段落の区切りが少ない上に、字が小さくて読みづらい。 といったところではないでしょうか? 少なくとも、私はそう思っています。 古典、その中でも特に哲学的な作品というのは…

食道がんは、ほかの臓器にがんを合併しやすい!

1.食道がんはどうやって見つかっているのか? さて、食道がんを見つけるための画像検査は何を受ければいいでしょうか? 食道のチェックに特化した検査というのはほとんどなく、以前に解説したとおり胃がん検診で胃のチェックと同時に食道のチェックをしてい…

意外と怖い逆流性食道炎

1.逆流性食道炎って? 最近各種メディアで取り上げられることも多いので、逆流性食道炎という病名を聞いたことがある方も多いかと思います。 逆流性食道炎は、胃から分泌される胃液が食道に逆流することによって生じます。 胃液は胃の中に入ってきた食事内…

「アルコール」×「タバコ」の破壊力

1.どれぐらいリスクを上げるのか? 「アルコール」と「タバコ」の2つが食道がんのリスク因子であることは多数の報告があり確実です。そして特筆すべきはそのリスクの大きさです。アルコールもタバコもたしなまない人に比べると発がんのリスクは、 アルコー…

食道がんは、男性というだけで要注意?

1.食道がんになった著名人は…? 著名な方が食道がんに罹患したというニュースを、時々目にすることがあります。どんな方がいるでしょうか? 漫画家の赤塚不二夫さん 落語家の立川談志さん 指揮者の小澤征爾さん 歌手の桑田佳祐さん 歌舞伎役者の中村勘三郎…

食道がんは本当に「治る」がんなのか?

1.食道がんの5年生存率は? 今まで「食道がんは治療が難しくて治りにくい病気」と言われてきました。 それはある程度正しい認識です。前回の冒頭でも、食道がん手術は体の負担が大きいと説明しました。 そんな食道がんを、本当に「治る」がんと呼んでいいの…

なぜ今、食道がんに注目しなくてはいけないのか

1.前回までのおさらい さて、少し間(あいだ)があいてしまいましたが、がん検診の話を再開したいと思います。 胃がん検診についての最後のブログで、「胃カメラの方がバリウム検査よりも明らかに優れている点は、食道を詳細に観察することができること。」…

『風の谷のナウシカ』 宮崎駿 その2 (書評・近藤慎太郎)

宮崎駿のマンガ版『風の谷のナウシカ』は、後世に残る傑作です。 ワイド判 風の谷のナウシカ 全7巻函入りセット 「トルメキア戦役バージョン」 (アニメージュ・コミックス・ワイド版) 作者: 宮崎駿 出版社/メーカー: 徳間書店 発売日: 2003/10/31 メディア:…

『風の谷のナウシカ』 宮崎駿 (書評・近藤慎太郎)

よく、「努力に勝る天才(才能)はない」という趣旨の文章を目にします。 確かに自分の才能にあぐらをかいて努力を怠ってしまい、コツコツ頑張ってきた人に抜かされてしまう人がいるのも事実です。 しかしその一方で、溢れんばかりの才能があって、さらに最…

『メメント・モリ』 藤原新也 (書評・近藤慎太郎)

「メメント・モリ」 ラテン語で「自分が(いつか)必ず死ぬことを忘れるな」という意味の警句。(ウィキペディアより) 著者は東京芸大中退後にインドなどアジア各地を長期間放浪し、写真と文章が渾然一体となった作品を生み出し続けてきました。 本作品は代…

『「死への準備」日記』 千葉敦子 (書評・近藤慎太郎)

著者はフリーランスのジャーナリスト、ノンフィクション作家です。 日本とアメリカを舞台に様々なメディアに政治・経済のレポートを寄稿する一方、乳がんを患らってから亡くなるまでの6年以上、その治療と経過、自分の考えや感情の推移を克明に記録して1990…

『銀河鉄道の夜』宮沢賢治 (書評・近藤慎太郎)

みなさんの「初・宮沢賢治」はどの作品でしたか? 『どんぐりと山猫』? 『セロ弾きのゴーシュ』? 『雨ニモマケズ』? どれも忘れがたい作品です。 私の場合は『注文の多い料理店』でした。 確か、小学校2〜3年の国語の教科書に載っていたと記憶しています…

『大河の一滴』五木寛之 その2 (書評・近藤慎太郎)

前回、本書には、日本人の通奏低音として流れるイメージを喚起する力があると書きました。 大河の一滴 (幻冬舎文庫) 作者: 五木寛之 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 1999/03 メディア: 文庫 購入: 6人 クリック: 58回 この商品を含むブログ (43件) を見る …

『大河の一滴』五木寛之 (書評・近藤慎太郎)

胃がん検診の話が一段落したので、食道がん検診の話に入る前に、気分を変えて何回か書評をしたいと思います。 ジャンルを問わずというわけにはいかないので、とりあえず『生と死をテーマにした本』という縛りを設けて、少しずつ紹介していきます。 さて、第1…

Amazonアソシエイト参加表明文

当サイト『医療のX丁目Y番地』は、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣伝プログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。 2016/09/29 近藤慎太郎

胃カメラの方が優れている2つの理由

1.バリウム検査の構造的欠陥 前回の結論は、状況証拠的には胃カメラの方が優れていると推測できるものの、結局、「どちらが胃がんの発見率が高いかは、はっきりわからない」という事でした。 しかし、そのようなあいまいな状況の中でも、私はやはり胃カメラ…

バリウム検査と胃カメラ、実はどっちがいいかわからない

1.胃がんの発見率はどちらが高いのか? さて、2回にわたってバリウム検査と胃カメラの長所と短所を解説いたしました。 ざっくりまとめると、 1.バリウム検査は決してラクではない(体位変換が大変、誤嚥のリスク、バリウムが固まって便秘になる…)。医療被…

胃カメラをラクに受けるコツ

1.胃カメラが苦しいという、誤解…? さてバリウム検査の次は、胃カメラの長所と短所を解説します。 ここで、皆さんの中には「胃カメラか…。」と暗い気持ちになっている方も多いと思います。 「胃カメラをするとオエオエえずいて大変。よだれと涙と鼻水でグ…

バリウム検査はラクでもなんでもない

1.症状がない=病気がないという誤解 「症状がないから検査は必要ないよ。」 患者さんに胃がん検診をすすめると、時々このような反応が返ってきます。 もちろんこのような反応も、心情的にはよく理解できます。 なぜなら普段の生活で私たちがかかる一般的な…

『誤解だらけのがん検診』の講演会のレポートです

8月20日土曜日、スルガ銀行たまプラーザ支店にて、『誤解だらけのがん検診』の講演会を開催してきました! 行ってまずなによりも驚いたのが、お店のオシャレさ。 とても銀行とは思えません~! 図書館のようなカフェのような…。 たまプラーザは若い家族も多…

誤解だらけのピロリ菌

1.ピロリ菌についての医師と患者の誤解 ピロリ菌については、とても深刻な誤解が世の中に蔓延しています。 そして残念ながら、医師自身が誤解の普及に一役買っているケースすらあるのです。 それでは、ピロリ菌についてのよくある誤解を見ていきましょう。 …

胃がんが減っても食道がんが増える!?

1.ピロリ菌が陽性だったらどうすればいいのか? タバコががんのリスク因子であれば、禁煙することによって発がんのリスクを下げることができます。 では、胃がんのリスク因子であるピロリ菌に感染している場合はどうすればいいのでしょうか? この場合には…

ヘリコバクター・ピロリ菌という最重要課題

1.ほとんどの胃がんはヘリコバクター・ピロリ菌が関与する さて、胃がんのリスクを減らすためには、生活習慣の是正も欠かせませんが、なんといっても一番影響力の強い因子は、「ヘリコバクター・ピロリ菌」です。 ピロリ菌については各種メディアで盛んに報…

タバコで胃がんのリスクが上がる!?

1.胃はなんのためにあるのか 胃がんの患者数は、男性のがんの中で1位、女性で3位となっています。 また平成26年の胃がんの死亡数は男女合わせて約5万人(47903人)で、がんの中では肺がんに次いで2位になっています(がん情報サービス最新がん統計より)。 「治…

近藤慎太郎 講演:誤解だらけのがん検診

きたる8月20日10時半より、スルガ銀行たまプラーザ支店にて講演を行います。本ブログの全容をてっとり早く知るチャンスです(^^)。定員30名ですので、興味のある方はお早めにご予約ください。 www.d-laboweb.jp

がんとは闘わない方がいいという誤解

1.ここまでのまとめ さて、総論が大変長くなりました。 ここまでの内容をざっとまとめてみます。 日本人の死因は、1981年以降~現在に至るまで「がん」が他の疾患を大きく離して第1位となっています。日本人の3人に1人はがんで亡くなっています。 また、高…

がんで死ぬことは絶対いけないのか?

1.がんの治療は体に負担がかかる? 前回、「本物のがんは治らない」というがんもどき理論の非合理性について解説しました。 やはり、がんは早く見つければ見つけるほど治っています。 ここでもしかすると、「治療をすることによって体に大きな負担がかかり…

がんもどき理論の非合理性

1. 近藤誠氏 の『がんもどき理論』 さて、ここであらかじめ言及しておかなくてはいけないことが一つあります。 『患者よ、がんと闘うな』の著者である近藤誠氏は、「がんを早期発見する必要性はない」と主張しています。そして残念なことにその主張に惑わさ…

がんになりにくい体質にするということ

1.がんのリスク因子とは? 一次予防、つまり「がんになりにくい体質にする」ためには、「がんになる可能性を高めるリスク因子を除去する」ことが必要です。 では「リスク因子」にはどんなものがあるでしょうか? これは大きく2つに分けられます。 「生活習…

「治る」がんを見逃さないために必要な2つのポイント

1. どれぐらい治るのか 全国がん(成人病)センター協議会は臨床病期(以下、ステージ)別の5年生存率を発表しています。 5年生存率というのは、がんが見つかった時点から5年後にも、その患者さんが生存している割あいのことです。 ステージⅠ期(早期に発…

どういう方が乳がんになりやすいのか?

最近、北斗晶さん、小林麻央さんなど、乳がんと闘病中の方のニュースが盛んに報道されています。実際に乳がんの罹患率(がんになる方の数)、死亡率(がんで亡くなる方の数)は近年明らかに増加していて、社会的な関心も非常に高まっています。 本ブログでは…

なぜ胃がんと大腸がんを重視するのか?

1.がんになる割合とがんで亡くなる割合を比べると…? では、一体どういうがんが治っているのでしょうか?ここで臓器別に考えてみましょう。日本における、臓器別のがんの「罹患率=がんになる方の数(注1)」と「死亡率=がんで亡くなる方の数(注2)」を比べ…

「治る」がんは存在するのか?

1.すべてのがんを同列に扱うことは出来ない 「がん関連本」の2つ目の弱点です。こちらの方が、より本質的かつ致命的でしょう。 がんについての本を目にするたびに私が非常に強く疑問に思うのは、 「なぜすべてのがんを一括りにして考えるのか」ということ…

「週刊FLASH」にコメントが掲載されました。

6月7日発売の「週刊FLASH」に、パニック発作の一般論についてコメントいたしました。ご一読いただければ幸いです。 zasshi.news.yahoo.co.jp 文 近藤慎太郎

誤解による結末を回避するために

1.極端な「がん関連本」の罪深さ がんに関する世の中の高い関心を反映するように、一般読者向けの本が多数出版されています。その内容は千差万別ですが、困ったことに、医療関係者からみるとその内容に「!?」と思うものが非常に多いのです。特に、「がん…