日経ビジネスオンラインでの週刊連載、『医療格差は人生格差』。
前回から引き続き、「1回の検査で“網羅的に”がんを見つけよう」という試みについて解説します。前回はPET、今回と次回はいよいよ「血液によるがん検診」についてです。
本連載では今まで胃カメラ、大腸カメラ、腹部超音波検査(エコー)、CT、MRI、PETといった、「画像検査によるがん検診」について、詳しく解説してきました。おそらく皆さんの中には、「血液や尿でがんを見つけるというニュースがあるけれど、あれは有用なの」と疑問に感じた人もいるのではないでしょうか。
確かに画像検査は、受けるのが面倒だし、時に苦痛を伴うこともあります。それがもし、血液や尿の検査(以下、血液がん検診)だけでがんの有無が分かるのであれば、体の負担も少なく、時間もかからないので、こんなに便利なことはありません。
血液がん検診は大きな需要が見込めるので、市場は拡大の一途にあります。様々な企業が参入し、特に最近は「がんに関する遺伝子をチェックする」ことを謳ったものも多数あります。
いかにも高度で信頼できそうなイメージを抱きますし、実際に「これはひょっとして有用かも」と思うものもあります。けれど現状では、全くの玉石混交なので、注意が必要です…。
ぜひご一読ください!
(文・近藤慎太郎)
がんで助かる人、助からない人 専門医がどうしても伝えたかった「分かれ目」
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