大腸内視鏡(大腸カメラ)の実際

1.実績だったら…

 

大腸の主な画像検査として以下の4つの検査方法が挙げられます。

 

1.大腸カメラ

2.注腸検査

3.CTコロノグラフィー

4.カプセル内視鏡

 

この中で、実績があるのは1の大腸カメラ2の注腸検査です。ただし、正確性は大腸カメラに軍配が上がります。

 

そもそも大腸の問題に関しては、大腸カメラの結果が一番真実に近いという前提で議論されるのが通例です。

たとえば便潜血検査でポリープが20%しか指摘できなかったといった場合、それは大腸カメラで見つかった数字を100%として、ということなのです。

 

 

2.大腸カメラの実際

 

大腸カメラは、液体の下剤を1〜2リットル飲んで大腸をカラにした後に、胃カメラとよく似たカメラを肛門から入れて大腸を観察する検査です。

 

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大腸カメラのメリットは、正確性が高いということと、ポリープなどがあった場合に切除(治療)まで行えるという点です。

 

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ただし人間ドックの大腸カメラでポリープが見つかった場合に、そのまま切除までする医療機関と、後日改めて保険診療として切除をする医療機関があります。この点に関しては事前の確認が必要です。

 

そしてもしポリープを切除した場合には、時間が経ってから切除面から出血する危険性が出てきます。その危険性をできるだけ減らすために、数日〜1週間ほど飲酒や運動ができないなど制限がかかるので、検査の日程を組む際には注意が必要です。

 

大腸カメラのデメリットとしては、個人差はあるものの検査に伴う苦痛がありえることです。

カメラが腸の中に入っていくことによって、腸が引っ張られ、お腹の張る感じや痛みがでることがあるのです。特に子宮筋腫や帝王切開、腹部の大きな手術を行っている場合には、大腸とお腹の壁が癒着して、不快感が強くなりがちです。

 

こういったケースでは、鎮痛剤を使用することによって症状を軽減できますので、使用できるかどうかについても事前に医療機関に確認することをお勧めします。

 

また、きわめてまれではありますが、検査に難渋したり、ポリープの切除で深く切りすぎたりした場合に、大腸に穴があいてしまうことがあります(これを穿孔といいます)。

小さな穴であれば、クリップという金属製の洗濯バサミ(のようなもの)で穴を閉じることができますが、大きな穴であれば、開腹手術になってしまうこともあります。

 

大腸カメラは胃カメラ以上に術者の技量が検査内容を左右する検査です。

受ける際にはできるだけ事前にリサーチをして、評判のいい施設または医師を受診するようにお勧めいたします。

 

(イラスト・文 近藤慎太郎)

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